本記事では、特定技能「宿泊」について宿泊事業者の方向けに詳しく解説いたします。
目次
特定技能とは
特定技能とは、日本で外国人が活躍するために作られた在留資格です。一定の専門性や技能を持っていることが証明される資格であり、宿泊業向けにも作られています。特定技能の「宿泊」について内容を紹介しましょう。
特定技能「宿泊」
概要
特定技能である「宿泊」は2023年6月9日より追加されており「1号」「2号」に分類されているのが特徴です。
1号は「相当程度の知識または経験を必要とする技能」となっており、2号は「熟練した能力」を必要としているため、それぞれ内容が異なります。
1号の方は内容が細かく設定されており、例えば日本語能力の水準は試験などで確認され、家族の同伴は認められません。2号の方は試験などの確認は不要であり、要件を満たせば配偶者や子供の帯同も可能なため、外国人にとっては取得したい資格と言えるでしょう。そして、宿泊業の受入条件は以下の要件を満たす必要があります。
・18歳以上
・宿泊業の技能評価試験に合格する
・規定された日本語能力試験に合格する
・保証金の徴収などをされていない
・国での遵守すべき手続きが定められていおり満たしている
・宿泊施設で2年以上の実務経験を持つこと
業務内容
特定技能の宿泊において要件を満たせば外国人労働者は業務を行うことができます。特定技能を持つ外国人は以下のような業務内容を行えます。
・宿泊施設におけるフロント
・企画・広報・接客業
・レストランサービスなどの宿泊サービスの提供、または従事する仕事
・旅館やホテルの施設内での土産物等売店における販売業務
・旅館や施設内での備品の点検や交換
特定の技能を持つ外国人労働者であれば、旅館のフロントに立って受付をしてもらう、またレストランでの食事配膳やお客様の誘導、清掃など、ほとんどの業務が行えます。一部、風営法に規定する接客などを除き、宿泊業は全て任せられるため、各ホテルや旅館の必要に応じて人材確保を考慮してください。
受け入れるメリット
ホテルや旅館などの宿泊業が、特定技能を持つ外国人労働者を受け入れるのはメリットがあります。
まず、特定技能の持ち主なので日本人だけでなく他の言語でも対応してもらえます。
今宿泊施設はインバウンドの影響もあり、訪日外国人向けの接客も重要です。外国語での対応を行えると、より顧客層を広げられ、収益の増加を見込めるでしょう。また、人材不足を補強する点でも大きな利点になります。
宿泊業の接客や受付などの業務は基礎的な知識やスキルが必要になりますが、育成の手間も省くことができ、即戦力として働いてもらえます。そして、特定技能の2号の場合は在留期間の制限もなくなったので、長期的な雇用を行うことが可能です。言語面と人材不足の補充という点で宿泊施設は前向きに雇用を検討してください。
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受け入れのための準備
特定技能を持つ外国人労働者を受け入れるためには、宿泊施設側も条件や要件を満たしておく必要があります。どのようなポイントを押さえておくべきなのか取得方法や雇用形態、注意点などを考慮して内容を紹介しましょう。
特定技能「宿泊」を取得方法
外国人側が特定技能宿泊を取得するためには宿泊業に関する知識と技能試験の2つに合格することです。試験内容としては日常的な会話を日本語で話せること宿泊業に関する試験や技能の試験を実施し合格基準を満たせば取得可能です。
宿泊施設側は旅館業法の許可を得ていること、宿泊分野特定技能協議会に加入していること、支援体制を整備していることが条件です。
旅館業法を得るのは宿泊施設を運営していくのに必要なので問題ないはずですが、宿泊分野特定技能協議会は、外国人労働者を受け入れ始めて4ヶ月以内に加入する義務があるので、申請して受理されておく必要があります。
支援体制も整えていないと外国人労働者が適切に働けないので、例えば寮や生活必需品などを揃えてあげるなど、準備しておくべきです。これらの要件を満たせば、特定技能宿泊に合格している外国人を、宿泊施設はスムーズに採用できるでしょう。
雇用形態
特定技能による外国人を受け入れるためには、雇用形態を派遣ではなく直接雇用しなくてはいけません。派遣業務だと期間が終われば、そのまま更新されない可能性があります。外国人側にとっては仕事を失うリスクが高く、収入も派遣会社側が多く取得する可能性が高いため、宿泊施設側が直接雇用して給料を支払います。
福利厚生なども設定して、不当に残業時間を延ばしたり、低賃金で雇用契約をしたりはできません。雇用形態は宿泊施設が決定できますが、原則週5日、30日以上のフルタイムです。他の従業員との公平性も考慮して設定しましょう。
雇用の際の注意点
特定技能の外国人労働者を雇用する際は、注意点も把握しておくべきです。まず、外国人労働者の受け入れ人数制限はありませんが、労働者の人権保護を考慮して適切な目標人数を設定すべきです。
あまりに多く雇用すると、外国人労働者の働きが制限されてしまう可能性もあるため、人材不足分のみを雇用すべきです。また、外国人労働者を雇用するためには上記でも紹介したように特定技能協議会に申請して構成員になる必要があります。
手続きには時間が要する場合もあるため、外国人の受け入れを検討している段階で準備しておくのがおすすめです。また外国人労働者がスムーズに働けるように、差別的な言動が行われないようにする、コミュニケーションの場を設けるなどして必要なサポート体制もとるようにしてください。
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まとめ
特定技能の宿泊について内容を紹介してきました。宿泊施設の人材不足の解消や育成の手間を省く点で外国人労働を雇用するのは、ホテルや旅館側にとっても大きなメリットです。
ただ、宿泊施設側が特定技能の外国人労働者を雇用するためには、特定技能協議会に加入していくことや、必要なサポート体制を整備しておくことなどが要求されます。労働者の雇用形態も直接雇用であり、週5日以上、30日以上のフルタイムという設定で給料や福利厚生も最低水準を満たしておかなくてはいけません。
特定技能の外国人労働者を受け入れるには、時間と準備が必要です。今から、必要な備えをしておき、雇用をスムーズに行えるように体制を整えるように企画や計画を行うようにしましょう。